フリーランスになって感じた屋号の必要性
独立にあたり、地方での活動は実名でも良いとして、webでの受注を考えると屋号が欲しいな…と思っていました。屋号があれば覚えてもらいやすい。ロゴマークもあると更に思い出しやすく、ひいてはお仕事をいただけるチャンスも多くなる。屋号はなくても問題はないようだけど、メリットは大きそう。
単純に苗字+デザインは?…美容室で言うと◯◯美容室。
ん〜。なんか昔風な感じ…
花の名前をつけるのもよくあるけど…
40代後半の男が花の名前を屋号にと言うのも気が引ける。web取引が多く、対面営業が少ないとは言え…
それに花の名前=趣味的とならないだろうか?自分の場合、好きな野球チームが巨人なので「ジャイアンツ」とつけるのと変わらないような…好きなものを屋号に入れるのもちょっと違うか。屋号を決めるのってってむずかしい。
屋号をあげるにあたり抑えたいポイント3つ
しっかり意味のあるモノ、自分でも愛着を持てるように作らないと挫折しやすくなるだろうし、焦ってつけて後悔はしたくない。じっくり時間をかけ、自分の希望を整理する。屋号をあげるにあたり、おさえたいポイントは以下3つ。
- 言いやすい屋号
- 由来を聞かれて説明できる
- 親しみやすいもの
- については、外国語などは自分がうといのに響きの良さで選ぶのはちょっと違うと思ったから。
- については、今後デザイン仕事をしていく上でも「なんとなくカッコいい」「とりあえず空色」など、説得力にかける説明は信頼を下げるから。意味があるものを作りたい。
- については、ひとりよがりにならず、常に顧客目線を持つ続けられるように。
前後につく言葉の候補も出してみる。
- ○○デザイン(ありきたり?)
- アトリエ○○(美容室っぽい?)
- ○○事務所(ありきたり?)
- ○○企画(ありきたり?)
- ○○屋(ストレートすぎ?)
- ○○商店(ピンとこず)
- ○○スタジオ(PCと周辺機器くらいで大袈裟な)
- ○○制作室(かたすぎる)
- ○○研究所(かたすぎる)
- ○○堂(和風すぎる?)
- ○○舎(ありかな)
- ○○ラボ(ありかな)
あれこれ3日ほど考えながら浮かんだのが…
「つきノわデザインらぼ」
なんかいい!口にした時の響きも!
その命名理由は
- 「つきノわ」は今住んでいる地名にちなんで命名
- 独立を機に未知のジャンルの案件にもトライしたいので、研究室(ラボラトリー)→らぼ(やわらい感じでひらがなに)
屋号はこれに決定し、次はこれに相応しいロゴマークを作ることに。
ロゴデザインに込めた意味
月は屋号そのままにあしらい、中にいるフクロウの由来は以下の一節より。
「ミネルバのフクロウは、迫り来る黄昏に飛び立つ」
ゲオルク・ヴィルヘルム・フリードリヒ・ヘーゲル『法の哲学』から
解説
用語を説明すると、
【ミネルバ】
ローマ神話に登場する知恵、芸術、工芸、戦略を司る女神。ギリシャ神話のアテナに相当。
【フクロウ】
ミネルバのペット。その大きな目で世界中の知識を集めてまわる役割。知恵の象徴。
【黄昏】
それまでの知恵が過去のものになる時。つまりは一つの時代が終わりを迎えそうな時。
わかりやすく言いかえると、
「今までの時代はなぜ終わるのか?これからはどんな時代になるのか?その大きな目で見てこい!」フクロウはミネルバの命を受けて飛び立つ。
こんな感じでしょうか。この一節に感化され要点をまとめると、
- 黄昏とはまさに2020年のよう
- フクロウは知恵、芸術、工芸、戦略を司る神様に仕えている
- 夜行性で勤勉の象徴
- 白は清浄の色(商売繁盛)
- 首が一周する様から「借金で首がまわらない」ことがない!
で、言うことなしのフクロウ(不苦労)にしました。
ウインクさせてもカワイイかなと思いましたが、片目ではなく、両目でしっかりと物事を観察し、クリエイティブを深めていきたい!との思いを込め、しっかり目を見開くデザインに。バックの星は三つ星の仕事をしますよ!との意味を込めて。
「作ること」と同等に「プロセスで価値を伝えること」も重要!
以上が屋号の由来になります。自分のことは何かと後回しにしがちですが、こだわって作ると愛着も湧き、やる気もアップします。手前味噌で説明的に書くのも野暮なようですが、今や表現の時代。「作ること」と同等に「プロセスで価値を伝えること」も重要!と言うことで ‘⊙⋎⊙’